- 目線はフロアー全体の様子を捉えており、観察力もバツグン! 適切なる助言もあり頼りになる入居者様です -

 

奥様を亡くしてから長い間一人暮らしをされてきたという甲斐さんは、こちらのホームの良さを「食事、洗濯、掃除、みなやってくれるのでとても満足しています。元来私は怠け者なので、何もしなくて済むし助かってますよ。」という言葉で伝えて下さいました。
が、実は鋭い観察力は確かに教師の目線。職員の方々の行動や入居者の方々の様子を何気なく観察し、こちらのようなホームの運営についてしっかりとしたご意見をお持ちでいらっしゃいました。しかしそれはとても優しい眼差しから捉えられたものでした。

 

相棒(奥様)が亡くなってからはずっと一人暮らしをしておりましてね、子供はいませんでしたから。定年退職をした頃からずっと考えていたんです、「年取った時、どうなるんだろうか? いずれは何処かにお世話にならなければならないのかなぁ?」なんてね。
それでその頃から探し始めたんです。その為の準備(経済的なものも含めて)も必要だろうと思いましてね。だからわりと早くから探していたんです。

そして3年前の夏、特別に暑かった夏がありましたでしょ、あの時期に股関節を痛めて動けなくなってしまったんですよ。買い物にも行けないし、病院に行くのもやっとの思いです。これじゃあ一人暮らしは難しいと思い、その時に決心しました。
最初の頃は病院にも職員の方が同行してくれていたんですが、今では一人で何処へでも出掛けられるようになりましたよ。

教員時代は都内の練馬区でしたので、どうしてもこの方面に友達も多いし行動拠点もここが中心でした。だから今でも友人に会う時は練馬の方に出掛けて行く事が多いんです。
医者からは「運動しなさい」って言われているんですが、股関節を痛めているのであまり運動らしい運動は出来ませんのでね、散歩だけは欠かさずするようにしています。その散歩の道順が賑やかな方向に向いていて、商店街に行くことが多いんですね。そこで友達に会ったりもしています。

 

以前は社交ダンスを習っていて、一通りは踊れるんですよ。でも競技に出場したりするような事はありませんでした。一番よくやっていたスポーツはスキーです。ただ、今考えるとスキーをしていた頃に左のカーブが少し弱かったかなって思うんです。この時から股関節にいくらか影響が出ていたのかなぁ、なんて考えたりしてしまいますね。この時に気付いていれば動けなくなるような事はなかったのかもしれないってね。

 

ロイヤル川口さんではいろんな行事を行っていて、これはいいなって思ってます。私はあまり参加していないんですが、実は医者に食事制限を言い渡されているので、「美味しいものを食べる会」や「うなぎを食す会」なんかに参加するとつい食べ過ぎてしまうでしょ。もともと大食漢なので外に出るとやっぱり食べ過ぎてしまうんですよ、これを自制する為に参加はしないという意味もあるんですね。

もう一つ感心するのは、こちらでは同じフロアーに自立型の方と要介護の方(重度の方も含めて)が同居されているんです。そうすると、どうしても重症の方の様子も見えてしまうんです。介護するヘルパーさんやスタッフの方々の訓練の仕方が素晴らしい。ちゃんと個人個人に合わせた方法で、口を動かす訓練や足の運動などを行っているんです。そんなきめ細やかな対応がここでは徹底されているように思うんです。
重度な要介護の方を見ていると、なんとなく「自分もああなるのかなぁ」と考えたりして、これは私自身の思いですが、自然に心の準備も出来ていくように思えるんですよ・・。