
- 一回りの年齢差があっても同じひつじ年のお二人はとても仲良く元気! これからも支えあって長生きしていきます! -
石原さんは97歳、久野さんは85歳です。丁度一回り違うひつじ年生まれです。お二人には昭和時代を生きた共通の体験が数多くあります。女性にとっては決して恵まれた時代背景であったとは思えませんが、今こうして意見が合って仲良しになれるのは同時代を過ごして来られてきた実体験の共有があればこそと頷けます。そして、お育ちになられた環境こそ違いますが、状況は皆同じ。昭和の時代を逞しく慎ましく生きて来られた半生が垣間見られて、とても和やかなインタビューとなりました。
<久野さん>
ここに来たきっかけはね、数年前の東京で大雪になった成人の日、覚えていますでしょ、その日にゆっくり気を付けて歩いていたのに、自宅の前で転んでしまったんですよ。それで背骨を折ってしまって、そりゃもう目から火が出ましたよ、それから寝たきりになってしまったんです。入退院を繰り返しましたけど一人での生活は大変でね、ヘルパーさんをお願いしてはいましたけれど、週に1回程度だし、二人の息子は遠方に住んでいますし、それでホームを探し始めたんです。
いろいろ探してみたけれど、ここに来た時にお隣りの方がとても若い方でしたの。それで「こんな若い方がお隣りにいたら、もし何かあっても助けてくださるんじゃないかしら」って思ったんです。永く生活するんですからお隣りさんはとても大事ですよ。
それから、お風呂とトイレが別々だったのも良かったと思います、一緒の所って嫌いなんですよ。それと、「交通の便も良くないと困るわね」なんて、寝たきりなのにそんな事ばかり考えていたんです。それで、わりと自由にできるこちらに決めたんです。今は自分でできる事は出来るだけ自分でやってるんですよ。
<石原さん>
7年前に足を骨折しましてね、20㎝ほどの金具を入れる手術をしたんですけど、その時にお医者様から「10年後にもう一度金具の入れ替えをしなきゃいけない」って言われたんです。その時は「10年後にはもう死んでいますよー」なんて言っていたんですけど、7年経っちゃいましたね、あと3年なんてすぐだし、もっと長生きしているような気がしてます。杖はついていますけどちゃんと歩けますよ。ただ外出はスタッフの方と一緒でないと許してもらえないんですけどね。
<久野さん>
そうなんですよ、なのに石原さんは郵便局へなんかは一人で行ってしまうんですよ。私の部屋から道が見えますからね。そんな時は私が郵便局へ行ってあげるって言ってるんですけどね・・。なにせ97歳なんだからね、転んだりしたら大変ですよね。それから石原さんはとてもお洒落で読書が大好きなんですよ。それからコーラスにも参加してるんですよ。
<石原さん>
推理小説が好きなんですけど、好きな作家さんが次々亡くなってしまうから、最近はいろんなジャンルの本も読むようにしてるんです。
<久野さん>
私は人間より植物が好きなんです。屋上の植木の世話をずっとしていたんですが、今年は肩とか腰を痛めて整形外科に通っていますのでね、力仕事はダメって言われてるんですよ。だから今年は別の人に交代してもらってます。だから最近は石原さんから本を借りて読んでいる事も多いんですよ。なにしろ石原さんの所には本がどっさりありますから。
<石原さん>
ここでは入居者同士であんまりベタベタしないんですよ。これはいいところだと思ってるんですよ、私は。知らない人同士が生活してゆくには、人と人との触れ合いがとても大事な事だとも思いますけどね。
<久野さん>
ベタベタしないのは少し寂しいところもあるわよね。関心が無いともいえるし・・。確かにあんまりベタベタするのも良くないけどね。ほどよくお付き合い出来るのが一番いいのかもね。私には石原さんともう一人のお友達がいるので楽しくここに居られると思っているんですよ。
<石原さん>
私は食事をキチンと頂いています。ここに来た以上はここでの食事をちゃんと守らないと意味がありませんからね、ここの食事管理に従いますから、買ってきて食べたりなんかはしません。だから安心して家族も私をここに置いていっちゃったんでしょうね。
<久野さん>
私は比較的自由にやらせてもらっているから、スタッフの方からすると案外目に余っているのかもしれませんね。ホームの中だけで生活しているので体力が落ちちゃっている感じがするし、歩けなくなってしまうのも心配でね。こういう生活では当たり前なんだけど1年で随分膝が弱くなってきていて、10分で行けた所に15分かかったりするんです。ここにはロイヤル体操というのがあって、毎日参加しているんです。
<石原さん>
私は耳が悪いので補聴器を付けたらって家族に言われるんですけど、これはダメ。自分の足音まで聴こえちゃうんですよ。頻繁に家族も孫や曾孫を連れて来てくれるので賑やかに過ごしてますね。
お二人が声を揃えて仰ったのは、ロイヤル川口さんのヘルパーさんはみんな良い方ばっかりなので、そこを強調して伝えてくださいという言葉です。また健康で長生きしてこられた秘訣は、ロイヤル川口さんのスタッフの皆さんのお陰で、ストレスの無い安心な生活を毎日おくる事が出来ているから、ということでした。



